忌中とお中元

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忌中や喪中に「お中元」を贈っても大丈夫?

日本では、喪中(1年以内に身内を亡くした人)や忌中(仏教では49日、神道では50日以内に身内を亡くした人)の際は、お祝いごとや派手なことを避け、静かに亡くなった方の冥福を祈る期間であると言われています。

 

でもこの忌中や喪中に、お中元のシーズンが到来した場合、やはり「お祝いごと」や「派手なこと」を避ける意味で、お中元も取り止めたほうが良いのでしょうか?それとも「お世話になったお礼」ゆえ、贈ってもいいのでしょうか?

 

 

<お中元って、そもそもどんな行事なの?>

 

お中元は、江戸時代に盆供(先祖への供物)と一緒に、商い先やお世話になった方に贈り物をするようになった習慣から始まったと言われています。

 

お中元の時期は、東日本(主に関東)では7月15日、西日本(主に関西)では8月15日とされていましたが、全国的には7月15日がお中元の時期とされるようになったそうです。

 

ただ、お中元の日取りは7月15日丁度でなくても、この日付までに贈れば良い、という目安であり、少々の遅れは問題ではなく、月初めから15日ごろまでがお中元期間とされているようです。

 

本来は日頃お世話になった方や結婚式でお世話になった仲人さんなどにお中元を贈る風習でしたが、日本では、取引先の企業の担当者やその上役、担当役員などに贈る習慣に拡大されていきました。

 

1990年代のバブル期までは、大手企業を中心に取引先や監督官庁職員にも、お中元を贈ることがあったようです。でも現在では、国家公務員倫理規則第3条により、公務員に対するお歳暮の授受は禁止となりました。

 

又、一般企業でもバブル崩壊後は不況の影響とコンプライアンス確保の為、企業の方針として、取引先からのお中元の受け取りは禁止されることが多くなりました。更に一般家庭においても虚礼廃止や不況による煽りから、若い世代を中心としてお中元は減少傾向にあるようです。

 

話は長くなりましたが、それでは、贈り先が忌中や喪中にお中元を贈っても良いのでしょうか? また、こちらが忌中や喪中の場合、お中元を贈っても良いのでしょうか?

 

<贈り先が忌中や喪中の場合のお中元は、贈ってもいいの?>

 

お中元はそもそも、日頃お世話になったお礼の意味であり、お祝いではない為、たとえ先方が忌中や喪中であってもお中元を贈っても問題ありません。

 

但し、贈り先が忌中や喪中の場合、お中元に紅白の水引はかけず、無地の短冊を使うようにしましょう(リボンは問題ありません)。また、贈り先の忌中が明けていない場合は、明けてから贈りましょう。お中元の品物は華美にならないように気を付けましょう。

 

 

<こちらが忌中や喪中に、お中元を贈ってもいいの?>

 

この場合も、上記同様、こちらが忌中や喪中の場合でも、祝い事ではないので、お中元を贈っても問題ありません。

 

但し、自分が忌中である場合は、時期を少しずらすか、別の機会に「先日は忌中でしたので、失礼しました」と述べて水引をかけずに贈るようにしましょう。

 

なお、蛇足ではありますが、上記2例同様、忌中や喪中にお中元を贈るだけでなく、貰うことも問題ありませんので、安心して感謝の気持ちと共に受け取りましょう。

 


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