御仏前に新札のお札はダメ?
御仏前へのお供えに、新札のお札を入れてはいけない、使い古しのお札を入れなさい、という話を聞いたことはありませんか?
本来でしたら、綺麗な新札のお札のほうが、御仏前にお供えするお金としては相応しい気がしますよね。
一体なぜ御仏前へのお供えには新札のお札はいけないのでしょう?
<御仏前へのお供えに新札のお札がダメな理由とは?>
現在のように、日銀の印刷技術が向上していなかった昔は、新札自体の発行数が少なく、すぐには手に入らなかったそうです。
よって、新札のお札を入手する為には、銀行で両替する必要がありました。
そこで、新札のお札は「特別な日の為に、わざわざ用意するもの」という認識ができ、結婚式や新築祝い、開業祝など、お祝いごとでは重宝されたそうです。
しかし、葬儀や告別式、法事など、お悔やみの場で、御仏前へのお供えとして新札のお札を用意することは、「この日の為の用意」と受け取られてしまう為、避けられたそうです。
悪く言えば、御仏前へのお供えに新札のお札を用意することは、「亡くなることを期待していた」とか「亡くなることを予期していた」という意味に取られてしまうのです!
心からのお悔やみの為に、御仏前へのお供えとして、新札のお札を用意したことが、こんな風に受け取られてしまっては堪りませんね。
よって、御仏前にお供えするお札は、新札ではなく、旧札を使用するようになった、ということだそうです。
<現在もやはり御仏前には新札のお札はダメ?>
現在では、日銀の印刷技術が向上し、日常的に新札が出回るようになった為、「わざわざ用意した」という訳ではありません。
特に銀行のATMでは、給料日やボーナス時期は、新札をわざと入れておくことが多い為、綺麗な新札のほうが入手しやすくなってしまう逆転現象になっているようです。
よって、あまり御仏前へのお供えに新札のお札は絶対ダメ、という意味が薄れ、気にしない方は特に気にしないようです。
しかし、やはり長年の習慣により、御仏前へお供えするお札は新札を避ける、というマナーが身についている年輩の方々は、どんなに印刷技術が変化しても意識が変わりません。
よって、「御仏前へのお供えは新札のお札は避けるべき」と考える方が居る限り、新札は避けた方が無難です。
ただ、手元に新札のお札しかない場合は、どうしたら良いでしょう?わざわざ誰かに交換してもらいますか?
こうした手元に新札しかない場合は、お札を二つ折りにして、折り目をつけることで、まっさらの新札、ということではなくなります。
御仏前へお供えするお札が新札しかない場合は、是非お札を二つ折りにして、弔意を示すようにしましょう。
ところで、御仏前へお供えそるお札が新札ではなく、旧札を使用しなければならないと言っても、あまりにも汚いお札や破れたお札は、やはり失礼です。
旧札を入れる場合も、比較的新札に近い、綺麗なお札を選び、御仏前へのお供えにしたほうが良いでしょう。